占星学と心の探求

占星学の心理的・エネルギー的・構造的視点

医療占星学 -雑感-(2)

「消化器系の次は循環器系でもやろうか」と軽く考えて本を調べ始めたらえらいことになった。関連箇所が多すぎて用語の意味を調べるだけでも時間がかかる。やはり心臓・血管・血液関連(他にリンパ系もある)は重要なものとあって数が多い。まるで医学勉強をしている気分になる。病名を調べるだけじゃ意味がないので、その病気の症状・原因まで含めて理解しようとしなければ、占星学的な捉え方にたどり着けないと思うのだ。

「Dictionary of Medical Astrology」は単純な辞書スタイルとあって載っている数が多い。それを1つ1つパソコンで打ち込んでいるとなんとなく傾向みたいなのが分かってくる。

・臓器&器官に当てられている惑星、星座、ハウス
・それらが異常を起こす際に影響を及ぼす惑星、星座、ハウス、形(アフリクト・ストレス・ディグニティ・強調されている・影響が弱い・外惑星など)

医療占星学ノート


ただ問題はこういうのを機械的に「この配置=病気になる」と覚えてしまうと、結局よくある占い的なものになってしまう。そして当たる当たらないという【占星術の罠】に陥ってしまう。医療占星学において重要だと思われるのは、そういう機械的な関連性ではなく、

・星と臓器(&器官)の大雑把な関連性の理解
・病気の症状(&原因)の医学的理解
 →その原因と星との大雑把な関連性の理解
・その上で星がどういう影響を与えればそれが起こりうるかの想像

などではないかと思う。そもそも医療占星学といったところで、その内容を遡れば古代&中世のいい加減な「医療と占星術のはなし」を引っ張ってきて広げたものすぎない。現代医学から見ればその体系はあまりに脆弱だ。だからこそあくまで参考程度にし(統計的な数字すら取っていないのだから)、むしろ心の動きと同様に【身体の動き】として理解する方が有効ではないだろうか。



そして星たちの動きが自分の心(生まれ・育ち・培ってきた人格)に影響を与え、その人独自の表現になるように、身体においても同じようなことが起き、結果悪い表現となったときに=病気になる。そんな風に捉え直す。あくまでも心理的な作用が先にあって、それが身体に表れたのが病気なのだという考え方。

そうすると心理占星学的なやり方が使えるようになる。身体に何か異常が起こった時、自分のホロスコープを見ながら

・身体の異常はどこで起こっているのか?
・それに対応する星(星座・惑星・ハウス)はどれが考えられるだろうか?
・この異常(病気)の仕組みはそもそもどんなものだろうか?=現代医学的に
・その異常動作を心の動きに例えれば、星のどういう異常に例えられるだろうか?
・その上で今自分のホロスコープ上にそれらしいトランジットが起こっているだろうか?
・ネイタルの中でその表現が苦手と思われる部分があるだろうか?
・今までの生き方の中でその表現をうまくできていただろうか?
・それらが病気として表に現れて来ているのではないだろうか?

そうやって内なる対話へ導き原因を探っていく。心理占星学的なことをされている方なら決して難しくはないはず。


そうしたら後はその

・苦手となっている部分
・うまく表現できていない部分
・自分が取り組むべきテーマとなっている部分

を心の中で(毎日の生活の中で)取り込んでいく。意識や行動で。あるいは心だけでなくハーブやアロマを使ってもいい。「異常・病気・仕組み・星との対応」が想像できれば、それらを使ってそこに影響を及ぼすことも十分可能だと思われる。自分にとって得意なもので取り組んでいけば、健康と病気に対する新しい向き合い方を作り出せるのではないだろうか。

私が医療占星学において生み出したいと思っているのはそういう新しい視点。「メディカルアストロロジー入門」もそういう視点で語ろうとしているのは分かるのだが、いかんせん機械的な解釈が多い。海外の心理占星学派の人に多いが、機械的な対応関係を元に長々とウンチクを語る悪い癖がある。結果そうと意識しなくても「この配置=この病気」みたいな印象を与えてしまう。



本来ホロスコープのリーディングとはその人独自の個別的なものであって、その人の「生まれ・育ち・環境・生い立ち・これまでの経験」すべて考慮した上でネイタルを見なければいけない。それができるのは実は本人だけなのだ。

赤の他人である占星家がちょっとホロスコープを見ただけでその人のすべてを理解することなどできない。結局私はそういう結論に至っている。占星家が行う心理的なホロスコープリーディングは確かに素晴らしい。だが相手のこと(生まれ・育ち・性質・過去)を家族や夫婦と同じレベルで知らないと、いくら心理分析的なことをやったところで一方的な独断と偏見による押し付けになってしまう。

「その人本人だから気づけること」がある。そこに導くのが占星学のあり方なのではないかと思っている。


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