占星学と心の探求

占星学における認識論と現象論

蠍座の一体化の誤解 -ドラマ「きのう何食べた2」5話より-

蠍座というと、「わたし」と「あなた」が1つに溶け合って自我を消滅させてしまいたい―とよく言われる。だが、中年期になっていろいろ経験してくると、これは少し誤解のある説明ではないかと思うようになった。天秤座(7)の意識に発達して、わたし(自己)とあなた(他者)はどこまでいっても別存在なのだと知る。わたしはわたしとして絶対的な存在だし、あなたもあなたとして絶対的な存在。思考・感情・好み・性質・価値観・人生...

意識の流動性と重畳性(3)

次は、自己意識感覚をもとに説明してみたい。発達心理学では、「わたし」という自己意識感覚とそれに伴う身体感覚には様々なレイヤーがあると考えられている。乳児が感じている「わたし感覚」と、幼児が感じている「わたし感覚」、児童期の子供が感じている「わたし感覚」と、成人期の大人が感じている「わたし感覚」はそれぞれ違いがあるのではないか?と。以下のサイトを参考にしながら、人間が「自己という意識感覚を獲得してい...

意識の流動性と重畳性(2)

次は、言語活動をもとに説明してみたい。言語は、発声器官を使って空気の振動を「音声としての意味あるまとまり」にすることで成立している。あるいは運動器官の手を使って、点や線を組み合わせ「文字としての意味あるまとまり」にすることで成立している。どちらも物質感覚情報を弁別し、対象として捉える意識(モノ化)があって可能になっている。この弁別化・対象化・意味化・モノ化する意識が双子座(3)蟹座(4)だと考えてい...

意識の流動性と重畳性(1)

ホロスコープの構造性として今まで取り上げてきたのは以下の2つ。「① 奇数→偶数の先手後手構造」これはヌース的に負荷→反映→等化→中和という形をとる「② 自他の双対性」ホロスコープ構造は人間1人で成り立っているのではなく、自己と他者の2人の関係性(双対性)で成り立っているそして、もう1つ考えているのが「③ 意識の流動性と重畳性(ちょうじょうせい)」。これはそれぞれ階層を成す意識が上→下へ、下→上へと流動しながら重...

自個性と他個性 -天秤座と蠍座-(3)

さて、今度はこれらのテーマを映画を参考にしながら考えてみよう。映画「ミセス・ノイズィ」。この作品は羅生門効果を使って、真紀と美和子の主観世界の違いを上手に表現している。そして、さらにもう1つ上手なのは「その主観世界の違いに統合(和解)をもたらす」という点を描いていること。この視点は今までの羅生門効果を使った作品にはなかったものだ。今までの自他の主観世界の違いを扱った作品では、差異がそのままミステリ...

自個性と他個性 -天秤座と蠍座-(2)

発達心理学における誤信念課題から、このテーマを考えてみよう。誤信念課題とは「幼児が他者の心を推測できているかどうか(心の理論)」をテストするもので、だいたい4歳頃にこの理解に達すると言われている。この問題を視野意識(視空間)と合わせてみることで、天秤座(7)蠍座(8)の意識がより理解しやすいと思われる。アンとサリーの絵は、考えてみればとても不思議な構図だ。まずこれは私たちが普段実際に目にしている視空...

自個性と他個性 -天秤座と蠍座-(1)

獅子座(5)は人が認識するための主体感を与える。見て、聞いて、触って、感じて、考えて、認識するわたし。それを自己(主体)と呼ぶ。その認識意識はあくまで精神的(こころ)なものであり、目には見えない。それはエルンスト・マッハの自画像で描かれているとおり。認識している主体(わたし)には自分の身体(頭)は見えないが、認識している存在(わたし)がいるということはしっかり理解できている。この精神作用が獅子座と...

構造論から見る蠍座の嫉妬

構造論において、天秤座・蠍座は自他の関係性(つながり)の意識と考えられる。それは双対性を特徴とし、自分が相手に向ける意識(気持ち)と相手が自分に向けてくれる意識(気持ち)の2つ揃って成り立つ世界だと言える。自分ひとりが相手に気持ちを向けても意味がないし、相手から一方的に(こちらの気持ちを無視して)気持ちを向けられても意味がない。お互いから同時に気持ちを向けあって初めて意味がある世界。それは図で表す...

ティコ・ブラーエの太陽系モデル

① 逆行と会合周期② 内惑星の順序の謎に続く3回目。以前ブログで書いたプトレマイオスの周転円モデルには、水星と金星(火星も)の軌道がおかしいという欠点があった。それを修正したティコ・ブラーエのモデルでは、地球から見た天体の動きがより正確に捉えられている。その特徴は「惑星が太陽の周りを公転するという地動説の世界と、惑星が地球の周りを公転するという天動説の世界を、足して2で割ったようなモデル」になっている...